

ルーレットやベルソーなど、複雑な番線が入っていたりするものは手作りは無理ですが。ポイント、スクレッパー、バニッシャーなどは金物屋さんで売っている金ヤスリから手作りすることができます。
もちろん、加工のためのグラインダーなどの工具は必要なのですが、500円くらいの原材料代から作ることが出来るので、日曜大工の得意な方はチャレンジしてみてはいかがでしょう。(もちろん、100円ショップで買ったヤスリからなら原価100円!ですね〜)
右の写真では、スクレッパーは平型のヤスリ、バニッシャーは丸いヤスリから作っています。
画材屋さんで入手可能な市販品のスクレッパーは右のような形をした物が多いです。



これは、プレートマークを削ったり、力を入れて画面を沢山削ったりするのは向くのですが、アクアチントやメゾチントの微妙な調子を削ったりしたいときには少々使いづらいですね。


手作りすれば、自分の好きな形に作ることができますから、たとえばこの写真ように「鉛筆握り」をして削れるスクレッパーを作ることもできます。
メゾチントなどを多く作られる方にはとっても便利なものです。

自分の好みのサイズのスクレッパー、その他バニッシャーなどが金ヤスリから作ることができます。


道具の材料にします。金物屋さん、100円ショップなどで、自分の作りたい道具の形に合った大きさ、太さものを用意します。
また、実際に道具を作っていく時に工具としても(本来の用途ですね)使用します。

焼き入れの時、熱した鉄を入れてゆっくりさますために使います。

金ヤスリを加工するのに使います。左側に布のバフをつけて、道具を磨くのにも使います。

やはり加工に使います。道具の研ぎにも使います。

金ヤスリの鉄を熱し、加工しやすいように焼きなまししたり、加工し終わったとき焼き入れしたりします。火力が強い物の方がいいです。
普通の砥石(包丁を研ぐもの)、紙ヤスリ(最後の仕上げに使う。目の細かい1500番くらいのもの)などがあればオーケー!

まず、材料にする金ヤスリをカセット式バーナーで真っ赤になるまで熱します。もちろん、この時金ヤスリにプラスチックの柄などがついていたら、取り除いて置いてくださいね〜。
その後自然冷却します。
このように、熱した後自然冷却すると鉄は柔らかくなり、加工しやすくなります。これを「焼きなまし」と言います。


柔らかくなった金ヤスリを、自分の作りたい形にグラインダーで成型していきます。
スクレッパーだったら、まず刃の形を作っていきます。
バニッシャーの場合は先端をなめらかに削っていきます。


グラインダーで大まかに成型できたら、さらに細かい所を作っていきます。
へこんだところ、細かい所などはバイスなどで固定してヤスリで成形します。
スクレッパーの場合は、刃にヤスリの目がなくなるくらいまで仕上げます。
バニッシャーは、少しでもでこぼこがあると、銅版を磨くときにかえって傷がついてしまうので、これまたなめらかになるまで成形します。回転砥石などを使うと早いです。

成型が終わったら、再びカセット式バーナーで熱します。今度は、刃の部分が赤からオレンジになったら、すぐにモーターオイルを空き缶などに入れたものにつけます。こうすると刃の部分は再び固くなります。これは「焼き入れ」と言います。
熱した後水に付けて急冷するのが一般的ですが、あまりに固くなりすぎると刃こぼれしやすくなるので、ここでは油に入れて少しゆっくり目に冷やしています。こうして、粘りのある鋼にします。
水に付けて急冷→再び熱して、油につけて「焼き戻し」という方法もあります。
バニッシャーのように先端を曲げたい場合は、焼き入れの前の段階で、ペンチで曲げて好みの角度にします。(最初に曲げてしまうと、カーブの内側が削りにくいため。)曲げた後、ぴかぴかに磨いた後に焼き入れをおこないます。

あとは、バニッシャーならグラインダーに付けたバフに青砥の粉をつけたものや、目の細かい紙ヤスリなどで光るまで磨きます。
スクレッパーは表の刃の部分をバフがけし、ぴかぴかにします。この段階ではまだ切れないので、回転砥石や、普通の砥石で裏面(平らな部分)を研ぎます。切れるようにするために、いつも研ぐときは裏を研ぎます。