すべての技法に共通の、版の準備
●プレートマークを落とす
●版面をピカールで磨く
を、行います。
ドライポイント実践編を参照
銅版の裏側の防蝕のために、壁紙(ガラスフィルム)を貼ります。
または、黒ニスを塗ります。
固形のものは銅版をウォーマーで暖めて、ローラー引きします。
液体グランドは、リグロインで適当に薄めて刷毛で塗って版面を縦にして均一にします。
どちらの場合も、グランドが厚すぎると線を描くときにパリパリとグランドが剥がれてしまいますし、逆に薄すぎると、耐酸性が弱くなり、長時間の腐蝕では描画部分以外の所まで少し腐蝕してしまいます。
いずれの場合も、表面がベタベタしなくなったら描画OKです。

エッチングの線の太さの変化をつける方法は二つあります。
この方法で上の作例を作っていく場合。まず、1〜4まで、すべて描いてしまいます。
銅版を腐蝕液に10分つけたら、取り出して水洗いをし、黒ニス(止めニス)を使って、1の部分を覆う。
また銅版を腐蝕液に10分つける。取り出して水洗いしたら、今度は2の部分を覆う。
このように、1,2,3と、薄い描線の部分から順に黒ニスで覆っておき、最後に4の所だけ10分つけます。
結果的に、
この方法では、まず4の一番濃くする部分のみ描画します。
10分腐蝕液につけたら、3の部分を書き足します。また10分つけ、次は2を書き足し・・・最後に1を書き足して、10分つけます。
結果的に、最初の方法と同じように、
ただし、こちらの方法では黒ニスを使って線を止める作業をしなくてすみます。
慣れないと、濃い部分から描画していく方法は難しいかもしれません。
下絵を転写するときは、ドライポイント実践編と同じく、グランドを塗った銅版の上に、トレーシングペーパーとカーボン紙で転写します。グランドが塗ってあるので、カーボン紙のインクが定着します。ボールペンなど固いもので、あまりに強い筆圧で線をなぞると、ニードルで描く前にグランドに穴が開いてしまうので、程々に。
ニードルで描画していきます。
最後に、プレートマークの部分は止めニスを塗って置きます。
銅版が入る大きさのバットに腐蝕液を入れます。硝酸、塩化第二鉄どちらも約2倍位の水で薄めましょう。
流しが汚れるのを防ぐため、厚手のビニールなどを引いて置いたほうがいいです。耐酸性のビニール手袋も用意しておきます。
ここでは、上記「エッチングの線描の注意点」の、「まず、すべての線描を済ませる方法」で描画しています。すべての線を描画した銅版を腐蝕液に入れます。
この写真の例では硝酸を使っていますが、塩化第二鉄でもプロセスは同じです。
版を腐食液につけたら、10分。硝酸の場合は、線の所から気泡が出ています。泡は腐蝕の妨げになるので、刷毛で優しくなでて取り去ります。(塩化第二鉄の場合は沈殿物を取り去ります)
銅版を水洗いして斜めの角度から見ると、腐蝕の程度がわかりやすいです。
10分では、本当にごく薄い線が彫られた状態です。この時点で腐蝕をストップしたい部分があるのならば、もう一度銅版を良く水洗いして(塩化第二鉄なら醤油をたらして銅版の色をきれいにしておく)、水気を拭いた後に黒ニスを塗って、防蝕します。 そこの部分はもう腐蝕しません。
他の部分はもっと太い濃い線にしたいので、また腐蝕液に入れます。
さあ、あとは10分位・・・・・・・
これがエッチングのプロセスです。
「腐蝕の時間」の調節で表現したい線の濃さが変わるというのが最大ポイントです。
一番濃い線まで十分に腐蝕されたらば、腐蝕は終わりです!
白ガソリン(手に入らない場合はリグロイン)で、版面のグランドと黒ニスを取り去ります。裏止めのニスを塗っている場合はそれも忘れずに。歯ブラシなどで静かにこすると良いでしょう。
大きな銅版の場合は、最初に灯油で荒くグランドや黒ニスを取ったあと白ガソリンやリグロインを使った方が経済的です。
トレーシングペーパーを版面にかぶせて見ると、線がはっきり見えて、絵柄が良くわかります。
ドライポイントの時やったように、ピカールで軽く拭いてみてもわかりやすいです。
長時間の腐蝕で版全体が曇ってしまったら、ピカールで良く磨いておきましょう。
また、腐蝕しすぎた!なんて時はスクレッパーやバニッシャーで調子を整える事も可能です。ただし、ドライポイントは「バー」を削ることで調子を整えましたが、エッチングは腐蝕によってかなり深さのある線が彫られています。銅を削って修正することはかなり困難ですから、腐蝕の時は良く注意しましょう。
まだまだ描き足りなかった!というときは、グランドをもう一回塗り直し、また描画、腐蝕をします。
どうしても腐蝕の段階で、プレートマークがキズついて、少し腐蝕されてしまっています。
刷るときにきれいに出来るように、プレートマークをスクレッパーやバニッシャーできれいにしておきます。
刷りの刷りの工程は 刷ってみよう!を参照して下さい。