刷る銅版の大きさよりも、上下左右、各10センチ位の余裕を取って、紙を用意します。
銅版が10センチ×10センチの大きさだったら、紙は(10センチの余裕だったら)30センチ×30センチということになりますね。
少し大きいと思うかもしれませんが、刷った紙は濡れているので、これをパネルに水張りする必要があるのです。テープを貼るぶん、紙の大きさには余裕を持たせて下さい。
用意した紙を、刷る枚数だけ用意します。
紙の両面を霧吹きで軽く湿らせます。刷毛などで全体にむらなく水を塗っても良いです。 湿した紙をビニールで包んで置きます。
ビニールは、ごみ袋をカッターで切ったものなどでOKです。
できたら、ビニールの上にパネルを2、3枚のせて軽く重しをしたほうが良いです。
なるべく刷る時にしわが出ないように紙をまっすぐに伸ばしておきます。
紙は刷る前日に湿さなくてはいけない、という人もいますが、私はあまり気にしていません。多少刷りに影響は出ますが、刷る直前に湿しても、試し刷りだったらOKです。
フェルトは、薄手のものなら3枚重ね、厚手のものなら1枚で使います。
プレス機の鉄板を必ず真ん中に動かしておいてからフェルトにしわがないように注意して真ん中にセットします。
プレスの圧をかけます。
鉄板を左右どちらかに移動して、プレス機の準備ができました。
プレス機の鉄板の上に敷く下敷き用の紙の準備をします。
これは、鉄板にじかに銅版を置かないためと、紙と銅版の位置を書いておくためです。ロール紙という、安い薄手の紙を使うのが手軽です。
私はいつも銅版の鉄板の上に1ミリの透明な塩ビ板を敷き、下に、薄いポリエステルフィルムに自分がよく使う銅版と紙の大きさを書いたものを置いています。
刷った後、ガソリン等で付いたインクの汚れを拭けば、何回でも使えて便利です。
刷り台に新聞紙を下に引いて、銅版をのせます。
料理用のヘラや、リノリウム版を小さく切ったもので、銅版上にインクを詰めていきます。
あまり乱暴にやると、銅版にキズがついてしまいます。また、銅の粉がインクに混じっていたりするとこれもキズのもとなので注意しましょう。
固いインクを使う人は、銅版をあらかじめウォーマーの上に置いて暖めてインクを詰めたりしますが、国産のインクだったら、版は暖めなくても大丈夫です。
寒冷紗は軽く丸めて、銅版をきゅっきゅっと押し回すように動かしていきます。
ヘラで詰め忘れた部分も、この段階でインクが必ず詰まるように気をつけて下さい。
確実にインクが詰まったら、今度はインクを回りの新聞紙に吸い取らせるように、縦横に動かして行きます。
この段階では、インクが部分的に溜まったりしないよう、むらを無くすのが目的です。
人絹は、1枚を軽くまるめて、もう1枚をその上にかぶせて平らな面で銅版を拭くようにします。
この段階では、あまり乱暴に拭くと線につまったインクが取れすぎてしまうので、丁寧に拭いて行きましょう。
つるつるの面のインクが拭き取られて、薄い油膜に覆われたような状態になったらば、完成まじかです。
ここまでくると、銅版上の絵柄がはっきりと見えて来るはずです。
刷ったときに真っ白にしたい部分を目安にして仕上げ拭きをします。
ここで、人絹を新しく、インクのついてないものに変えます。
真っ白の所の油膜は、このきれいな人絹で、さっさっと拭いて、人絹を新聞紙の上でこすっては、また銅版をさっさっ・・・・ という作業の繰り返しできれいに取れます。
また、効果をねらってわざと油膜を取らない刷り方もありますが、下手にやるとむらむらの汚い調子になりがちなので注意しましょう。

銅版の4辺の45度に落とした部分を、「プレートマーク」と言います。
この部分は、布にリグロインを染ませたもので、きれいに拭き取ります。
湿した紙は、きれいなウエスで余分な水気を拭き取っておきましょう。
あまりびしょびしょだと、フェルトが湿ってしまい、しわの原因になります。
ロール紙の上に銅版、銅版の上に湿した紙を置きます。モチロン、紙の表が銅版のインクの付いた面に向くようにします。
フェルトを静かにかぶせて、しわが出ないように引っ張ります。
さあ、いよいよ、プレスを回しましょう!
電動プレスの場合は、スイッチを押せばOK。ローラーに手が巻き込まれないよう、十分注意して下さい。
手動プレスの場合は、ローラー部分にフェルトを巻いて、片手でフェルトを引っ張りながらゆっくりと回していきます。早く回しすぎるとしわがよるなどのトラブルの原因になります。
回し終わったら、いよいよ完成!
ゆっくりと紙をめくっていきます。ちょっとドキドキする一瞬ですね。

パネルに作品を水張りします。
濡れている紙は少し伸びるため、そのまま乾かすとボヨボヨに波打ってしまいます。
濡れているうちにテープで四辺を固定することで、紙が乾いた時ピンと平らな状態になります。
水張りテープを、紙の四辺の長さに切ります。
切ったテープをスポンジなどで十分濡らし、板に半分、作品に半分テープが貼られるようにします。
あとは乾くのを待つだけ。さあ、感激に浸りましょう。(笑)