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コラグラフ

コラグラフってなに?

「コラグラフ(collagraph)」とは、語源は「コラージュ(collage)」から来ています。
コラージュは「貼り絵」、異素材の写真や布などを貼り付けて作る絵画の事ですが、
コラグラフは、「版を彫って作るのではなく、版に色々な素材を貼り付けたり、塗ったりして作る版画」の事です。

木版画をやっている方がこの技法を併用する事が多いです。
版木を彫るだけでなく、版木に何かを貼り付けたり、
ジェッソなどを塗ってマチエールを作ったりするパターンが多いのですが、
その場合はバレンや木版プレスで刷るわけですね。
「4つのポピュラーな版画」の項目でも、コラグラフは木版画のジャンルの中に説明をしました。

もちろん、「コラグラフ=版材に色々な素材を貼り付けたり、塗ったりして作る版画」なのですから。
版材は木に限らなくても良いし、版の材料を工夫すれば銅版プレスでも刷れるわけです。

このページでは、銅版プレスを使ってコラグラフを作ることを前提に、説明します。

コラグラフに使われる版の材料

■ 白ボール紙

もちろん銅版プレスで木(木版で使うシナベニヤなど)を刷っても良いのですが、銅版プレスは木版プレスに比べてかなり圧が強力です。

したがって、ちょっと圧を強めにしたら、「バキッ!!」と木が割れてしまう可能性がありますし、圧を調節するのも結構やっかいです。

ある程度しなる弾力性があり、手軽に出来る素材と言うことで、白ボール紙が良いと思います。クリーニング屋さんがワイシャツの袋に入れてくれるあの紙、と言えばわかりやすいですね。(^^;)

白ボール紙だったら、カッターで切って手軽に好きな大きさの版が出来ますし、切り抜いてベタ版を作れます。ニスを塗っておけばまあまあ耐久性もあるということで、マチエールも作れますし、かなりお手軽です。

白ボール紙を使った紙版画の詳細は次のページ以降を参照して下さい。

collagraph11.jpg
白ボール紙。
collagraph12.jpg
カッターで切って手軽に
好きな大きさの版にできる。
もちろん、プレートマークを
削らなくてもOK!

■塩ビ版

ある程度弾力性があるということで、塩ビ版も良いと思います。

問題は、塩ピ版だと、表面がツルツルなので、リキテックス、ジェッソといった絵の具が定着しづらい(ぽろっとはげてしまう)ことです。紙ヤスリなどで表面を荒らしておけばある程度回避できますが、やや面倒なので、何らかの理由で白ボールなど紙版では出来ないことをやりたい、という場合のみ使うと良いでしょう。

紙版だと水性絵の具は使えないので、水性絵の具でコラグラフをやりたい、というときは良いかもしれないです。

collagraph13.jpg
塩ビ版と、ジェッソで
マチエールを付けた版。

■その他

コラグラフは「こういうやり方」と決まった技法があるわけではなく、作家の数だけ技法があると言われています。工夫次第で色々な版材が考えられるでしょう。