



まず、小皿などを用意して、ボトル入りのマジックインクを出します。次に、適当にホワイトガソリンで溶きます。
すると、なめらかだったマジックインクの粒子が、少し分離して、粒々・・・な感じになります。


粒子が分離したところで、筆をつかって銅版上に描画したり、たらしたりします。
マジックの薄い部分はすぐに腐蝕に耐えられずにはがれてしまいますが、もう少し濃い部分は長時間腐蝕に耐えますので、この時間差で面白い調子が出るのです。
腐蝕液は、●硝酸は泡が出るので、マジクインクが早く剥がれてしまう= 薄い調子になる。 ●塩化第二鉄は、比較的マジックインクが剥がれるのが遅い= 濃い調子になる。 という特徴があります。

刷りは一体どうなるのかな?と不安に思うかもしれませんが、マジックインクの見た感じそのまま!っていう刷り上がりになるのですよ、これが〜。最初にやってみるときは、うんと薄い部分、濃い部分などをオーバーに作って腐蝕してみると面白いかもしれませんね。
それと、筆を使わずにいらないフィルムや下敷きなどを使って「ぺたぺた」やったりしても面白いマチエールが出来ます。
注意ですが、このようにマジックインクで解墨のような効果を出す場合は、必ず「ホワイトガソリン」で溶かなくてはいけません。リグロインを使って溶くと、ホワイトガソリンよりも溶解力が強いのか、なめらかに溶けすぎて、粒子が分離しないので、「抜きかベタか」といった感じになってしまいます。シンナーでも溶解力が強すぎて、同様の結果になります。
また、ホワイトガソリンで溶いても、筆で何度もかき回したりしていると、粒子がやはりなめらかに溶けすぎてしまいます。いつまでもこねくりまわさずに、溶いたらさっと使いましょう。

今度は、マジックインクをシンナーで少しだけ溶きます。
そうすると、粒子が分離したりせず、滑らかなまま溶けるはずです。塗りやすければOKなので、あまり薄く溶き過ぎないようにします。
これを版になるべく滑らかに、厚めに、大きな平筆などを使用して塗っていきます。版は立てて置いて塗ると良いですね。
そして、ドライヤーを使って、マジックインクの表面だけ完全に乾くようにさっと乾かします。
表面が乾いたら、間髪入れず、白ガソリンをたらします。すると・・・
あら、不思議!!!
表面がヒビヒビに割れています〜!!!
・・・・とまあ、いつもこのようにうまく行くとは限りません。マジックを分厚く塗りすぎた。乾かし過ぎた。などなど、ちょっとしたことで、うまくヒビが割れてくれなかったりします。
たいがい、マジックインクを厚く塗ると大きなヒビが入り、薄く塗ると小さなヒビが入ります。
あ、あと、マジックインクを塗る前に、版をぴかぴかに磨いておかないとうまくいきません。
ただ、腐蝕液に浸ける前だったらば何回でもやり直しが効くわけですから。(シンナーかアルコールでさっさとふき取って、もう一回塗り直せば良いわけですよね) 興味のある方はあきらめずに試してみてくださいまし(笑)
ただ、さっきも書きましたが、マジックインク自体は完全な防蝕膜ではありません。だから、薄く塗りすぎるとヒビが腐蝕する前に、マジックで止まっているはずの回りから腐蝕してしまったりします。
ある程度運というか、成り行きまかせな所がある技法です。
もちろん、絶対汚したくない部分は黒ニスでがっちり止めてから腐蝕液に浸ければ良いのですが・・・。
また、腐蝕液の強さでも少々結果がちがいます。
その辺の細かいところがすごく気になる方、失敗が許せず、完ぺき主義をモットーとなさっている方にはあまり向かない技法かもしれませんね、これ・・・。